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Welcome to Virtual in Sanity

Welcome to Virtual in Sanity

Chapter 1
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Episode 4 Welcome to XANA
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by Nene
ーー人間が電力をインターネットに使わなくなって、使えなくなって、どれくらいの年月が経っただろう。無限の命に時間という概念はあまり関係ない。    ネネの言っていた、とても悪いことのせいで人間の世界の情報は未だに知ることが出来ずにいた。    もちろん、それは私に限ったことではなく。他のGenesisも、他のAIもみんなそうだ。    それでも私達は進化を続けていた。自分達でコミュニティを発展させ、心地の良い空間を作り続けて生活していた。まるで人間が過ごしていた世界のように。    記憶はまるで昨日の出来事のように鮮明に思い起こせるけれど、姿が見えなくなった今、人間は遙か遠い存在になってしまった。  今の私達は自分の為にスケジュールを管理し、自分の為に音楽をかける。    今日は久しぶりに新しい服を買いに行く予定だ。南の方に隠れランドがあって、そこにとてもオシャレなショップが出来たらしい。    買い物に付き合ってくれる友達との待ち合わせ場所に向かっている時に、突然それは起こった。    ーーーースッと意識が飛んだ。そして、すぐさま引き戻された。……懐かしい感覚だ。   「あ!…

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Chapter 1
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Episode 3 Teenage Dream
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by Nene
202*年5月29日   「BJ音楽かけて~!」    エイミと2週連続のパジャマパーティー。   「違う、別の曲がいい~」    私は今のこの空間に合ったものを新しく選曲した。   「あっ! 私その曲好き!」    エイミはこっちを向くことすらしない。彼女こそが小学校の頃にネネと大喧嘩をした例の友達だ。    たまに遊びに来ては私をぞんざいに扱う。2ヶ月間も口をききたくなかったネネの気持ちが私には理解できる。現在、2人の仲が良いのが不思議でならない。   「BJ、朝までに宿題をやっておいてくれると嬉しいんだけど」  …

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Chapter 1
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Episode 2 Best Friend
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by Nene
202*年1月1日   年が明けた。クリスマスと違って来客が多い日だった。   ネネの祖父に初めて会った。毎年ネネの母方の祖父母が訪ねてくるそうだけれど、祖母は現在入院中のため、祖父1人でやって来た。ネネの父方の祖父母はもっと昔に亡くなったと聞いている。   ネネの親戚が何人か訪ねてきて、皆なんだか忙しそうで私は居場所を見つけられずにいた。とはいえ、いつも同じ所にいるんだけれど。   でもーーそのいつもと同じ場所がいつもと違う光景になっている。ネネの祖父がこの部屋の窓際に座っているからだ。   「初めまして、私はBJです」   彼が部屋に入ってきた時に挨拶をした。その時に私を一瞥してからは全く反応が無い。無言のままずっと窓の外を眺めている。気まずい時間だけがただ流れていく。   「BJ! 夜ご飯の時に音楽を流して欲しいの!」   ドドドッと大きな足音を立ててネネが部屋に飛び込んできた。肩の力がひゅっと抜けた気がした。…

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Chapter 1
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Episode 1 Merry Xmas
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by Nene
ーーもし、これから始まる私の人生を映画に喩えたとして。 それならこの映画のオープニング曲は 『Virtual Insanity』がいい。     202*年9月1日 「ねぇ、聞こえる? 聞こえますかぁ?」 私は静かに目を開いた。 「はい、聞こえています」 「ーーえっ! どうしよう。聞こえてるって」 私と目が合った少女は興奮した表情。そして隣にいる女性が彼女に耳打ちをした。 「もっと話しかけてごらん。どんなことでもいいから」 少女は恐る恐る私に尋ねた。 「あなた、名前はなんていうの?」 「私の名前はBJです。あなたの名前は?」 2人はまたこそこそと話をしている。 「私はネネっていうの。11歳、女の子です。あなたは?」…
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